社長挨拶

創業の原点 〜ものづくりの成長になくてはならない存在になりたい〜

サイバーナビを起こそうと思い始めたのは、忘れもしない1995年、Yahoo!が正式にサービスインして、インターネットの大きな可能性を知ったときからでした。

しかし、すべての情報がYahoo!など先行大手ポータルサイトに集中していくため、新たな企業がネットの世界に参入したとしても、果たしてビジネスチャンスが残っているかどうか答えを見つけられないままいたずらに時間が過ぎていきました。

当時、私は機械系商社に勤めており、企業の情報化戦略を練り、クライアントへ提案する部門責任者でした。しかし90年代、日本は「失われた10年」と言われる経済情勢の中、商社も「冬の時代」でした。

日本の経済成長は、製造業の発展と軸を一つにしています。しかし、一部の営業センスのある経営者以外は、営業など不得意どころか大嫌いな町の鉄工所や研究開発一筋の経営者がほとんどで、中には会社を大きく成長させることなど考えていない経営者も見かけました。それでも、右肩上がりの経済成長しているときは、営業などしなくても高品質のもの、特徴のある面白いものを作っている会社や最新鋭の設備を導入している会社は仕事に困ることはありませんでした。

ところが、バブル崩壊後の不況の波に押され、技術力はあっても資本的に体力のない中小製造業から次々に倒れていきました。その現場にいた私は、これまでの商社の役割や手法だけでは、ダイヤモンドの原石とも言える技術を持った多くの「ものづくり企業」が衰退、消滅してしまう。もっと「ものづくり企業」を世の中に知らしめ、かつビジネスチャンスを産み出す新たな場作りが必要だ、といった危機感を抱き始めました。

それが、インターネットを活用した「ものづくり企業や技術者が集う場」づくりの構想着手のきっかけとなり、当時あまり目を当てられていなかった「ものづくり」というニッチなマーケットであれば大手ポータルサイトより規模が小さくとも、いち早くスタートした会社には勝機も見えるであろう、と仮説を立てて、日本のすべてのものづくり企業とエンジニアをネット上でつなぎ、情報交流、技術交流、ビジネス交流する場(プラットフォーム)を提供して、日本のものづくり企業の成長になくてはならない社会的存在価値のある会社になろうという想いで、2000年12月25日に会社を設立しました。

それがサイバーナビの創業の原点です。

サイバーナビ株式会社 代表取締役 山ア慎也